2025.08.15骨粗鬆症のくすりと顎骨壊死について
これまで骨粗鬆症とそのくすりをみてきましたが、
今回は骨粗鬆症のくすり服用と歯科との関わりをみていきます。
2003年に、骨粗鬆症のくすりBP(ビスホスホネート)製剤を服用している患者さんの顎骨壊死(あごの骨が死んでしまうこと)が報告されました。その後、用量に関係なくBP製剤やDmab(デノスマブ)製剤服用による顎骨骨髄炎・壊死が報告されてきました。
(薬剤関連性顎骨壊死 : MRONJ medication-related osteonecrosis of the jaw)
現在では、BP(ビスホスホネート)製剤やDmab(デノスマブ)製剤の服用歴があり、8週間以上持続して、口腔・顎・顔面領域に骨露出を認めたり、瘻孔(膿の出口)をみとめることが診断基準となっているようです。
どういった症状かというと、顎骨(あごの骨)が、皮膚や粘膜の中から露出したり、赤みがある腫れや痛みがでます。また、顎骨より膿が出てくる状態になってしまい、その症状が長期にわたります。それに伴い、病的骨折がみられることもあります。
骨粗鬆症のくすりによっては、口の中や顔の骨に影響を及ぼすことがあるようです。
しかも、8週間以上、もっと長期的にその症状が続くのはかなり大変なことです。
骨粗鬆症のくすりの服用は、もちろん骨粗鬆症の患者さんには必要なことですが、歯科に影響を及ぼす可能性があることがわかったので、次回は歯科治療における注意点についてみていきます。