吹田市岸辺の歯医者で歯科治療(歯周病・矯正)、
インプラントなどのご相談をするなら松本歯科医院
前回は、浅い虫歯の治療の話でしたが、今回は深い虫歯についてです。
むし歯が深くなり、歯の中の歯髄(歯の神経と血管)まで到達すると、
ズキズキ痛くなります。(たまに無症状の方もいます。)
そうなると、むし歯を削るだけでは治らなくて、歯髄をとる処置が必要になります。(抜髄処置)
麻酔をかけて処置をします。一回目の処置終了時には、歯髄があったスペース(歯髄腔)に、薬をいれて帰っていただきます。
二回目以降の処置で、最終的に歯髄腔を封鎖します。レントゲンを撮影して封鎖状況も確認します。
上記の工程を行うので、抜髄処置だけで、だいたい2-3回、治療回数がかかります。
さらに、このあと、かぶせをしていくことになるので、プラス2-3回、治療回数がかかります。
むし歯も進行してしまうと、痛みが出たり、治療期間が長くなるので、
はやめに発見したいですね。
むし歯を治療する際、もちろんむし歯の大きさによって、治療方法、材料が変わります。
ちっこいむし歯を治療する場合は、むし歯をけずって、削った部分を白く詰めます。
その白く詰める材料をCR(コンポジットレジン)といいます。
専門的にいうと、合成樹脂材料に強化フィラーを配合した複合材となります。
何のことかよく分かりませんが、言い換えれば、プラスチックみたいなイメージです。
近年、CRそのものや、CRを歯質に接着させる材料の進化がすすんでおります。
私が歯科医師になった20数年前では、接着剤も2液を混ぜたりしていましたが、
いまでは、1液を塗布するだけとか、塗布してからの待ち時間がいらないなど、なかなか進化しております。
治療した歯の白さに合わせて、色見本からどのCRをつめるか選択していたのですが、
最近では、マルチシェードといって、どの白さにも適合するCRも出現しております。
なかなかおもしろい材料ですね。
むし歯も初期でしたら、CRで簡単に治療できるので、早めの受診をお勧めします。
みなさんは、親知らずを抜歯されたことはあるでしょうか?
抜歯と聞くとなんか物騒に聞こえますね。今回は親知らずの話です。
そもそも親知らずってなんでそんな呼び方をするのでしょうか?
親知らずが生えてくるのは、個人差はありますが、10代後半から20代にかけてといわれています。
昔の日本人平均寿命が40-50歳だったとすると、親知らずが生えてくるころには、親が亡くなっていた?という説もあるようです。
では、親知らずがあると必ずしも抜歯しないといけないのでしょうか?
そんなことはありません。ただ、親知らずは奥のほうに生えてくるので、
歯みがき等口腔ケアがしにくく、むし歯になりやすかったり、歯ぐきが腫れる(智歯周囲炎)ことがあります。
あとは、矯正治療を行う際に、歯を移動させるために、便宜的に抜歯することがあります。
(注意:この場合は、むし歯・智歯周囲炎といった病気で抜歯するわけではないので、保険治療ではありません。あくまで矯正治療の一環です。)
親知らずを抜歯する場合は、生え方によりますが、歯ぐきを切開、周りの歯槽骨を削ったり、親知らずを分割するといった難易度が高い処置が必要になる事が多いです。
親知らずの根っこが下あごの中の下歯槽管という、神経と血管が走っている管に近いため、抜歯後に下あご付近に”しびれ”が生じるリスクもあります。
抜歯というのは外科的処置なので、抜歯後の痛み、出血、腫れや口をあけにくいということが1週間ほど起こることがあります。
実際に親知らずを抜歯する場合は、しっかりと説明を受けてください。
松本歯科医院では、親知らずの抜歯は行っておりますが、外科的処置は、水曜の午前中のみと枠が少ないことと、
事前のレントゲンで、さきほどの下歯槽管のしびれのリスクが高いと判断した場合などは、
吹田徳洲会病院・済生会吹田病院・済生会千里病院・大阪大学歯学部付属病院と連携・紹介しております。
前回は、歯肉炎のお話でした。今回は、歯周病についてです。
歯周病にはどんなイメージがありますか?
おそらく、歯ぐきが弱って、歯がぐらぐらになり、ダメになってしまう。
そう思われている方が、多いと思います。だいたいそんなかんじです。
歯垢(プラーク)中の歯周病菌により、歯を支えている骨(歯槽骨)が溶けていき、
しまいには、歯自体がぐらぐらになり、抜歯になってしまう病気なのです。
イラストには、健康な歯の状態と歯周病の歯の状態を比較して、描いています。
歯周病側は、骨(歯槽骨)が溶けて減っているため、歯ぐき(歯肉)の頂上との溝 = 歯周ポケットが深くなります。
そうなると、さらに歯垢(プラーク)が溜まりやすくなるため、
歯槽骨の吸収→歯周ポケットが深くなる、という負の連鎖が止まらなくなります。
歯槽骨が溶けてしまうと、歯を支えることができなくなり、歯がぐらぐらになってしまします。
歯周病怖いです。
減ってしまった骨は基本元には戻りませんが、それ以上減らないように、歯周病ケアをしていけば、
歯を抜くのを延期、もしくは、防止できることがあります。
定期的な歯科医院での歯周病ケアをおすすめします。
歯磨きをした時に、歯ブラシに血が付いたことはないでしょうか?
歯ぐき(歯肉)が腫れぼったくなったり、、、
それは、歯ぐきの炎症 歯肉炎が起こっているのです。
歯肉炎とは、歯と歯ぐき(歯肉)の境目に、歯垢(プラーク)という細菌の塊が付着すると、
炎症反応が起こります。歯肉の血流にある免疫細胞が細菌をやっつけようとするのです。
そうなると、歯肉からの出血・歯肉の腫脹・歯肉の痛みがでてきます。
みんさん、一度は経験したことがあるのではないでしょうか?
治療は、原因の除去、つまり歯に付着したプラークを除去します。
歯磨きや歯科医院でのスケーリングです。歯周病も併発し、症状が強い場合は、抗生剤投与を行う場合もあります。
歯肉炎にならないように、また、歯肉炎を治すために、歯科医院での口腔ケアが大事ですね。
砂糖(スクロース)がお口に入ってくると、ミュータンスがスクロースをエサにして、不溶性グルカンと酸を作り出します。
不溶性グルカンとは、ねばねばしたかんじのもので、それを用いて、ミュータンスが歯の表面に付着します。
さらに、不溶性グルカンがあることにより、酸が拡散するのを防ぎ、歯の表面を溶かしていくのです。
イメージ的には、ミュータンス君が登山家だと思ってください。
雪山(歯)の表面に、くさび(不溶性グルカン)を打ち込み、テント(不溶性グルカン)を張ります。
テントの中だと、風に吹き飛ばされにくいので、安心して、お湯(酸)を作り、雪山の表面を溶かしていくかんじでしょうか、、、
私は23年歯医者をしていますが、このようなむし歯の説明は見たことありません。
自分で書いときながら、なかなか分かりやすい?かもと自画自賛です。
お食事後、すぐに歯みがきをして、登山家(むし歯菌 ミュータンス)を追い払いたいですね。
ぱちぱち
今回は、むし歯の病因論、つまり原因の話です。
むし歯になるかならないかは、一つの原因でなく、
いくつかの原因が重なってできると考えられています。
①まずは、細菌 むし歯菌ミュータンスです。
吹田市の乳幼児歯科健診でも、う蝕活動性試験などが行われておりますが、
むし歯菌がどれくらい酸を作り出すかなどにより、むし歯になりやすさが変わってきます。
②歯
歯が弱いという表現は、適切でない気がしますが、例えば、毎晩だらだらとお酒を飲みながらお食事をされている方は、
歯の脱灰(エナメル質が溶ける)がすすみ、むし歯になりやすくなります。
注:私たちの歯は、毎食事、脱灰と再石灰(溶けたエナメル質が修復される)を繰り返しますが、脱灰のほうが進むということです。
フッ素は、歯質を強くします。
③食べ物
これは言わずと知れた、お食事の中に含まれる砂糖といったものですね。
砂糖をエサに、むし歯菌が酸を産生して、歯を溶かしたり、歯の表面にくっついたりします。
④さいごは、時間です。
先ほどちらっと出てきましたが、食事のたびに、脱灰と再石灰、つまり歯が少し溶けて、それが修復されることが、繰り返されますが、
このバランスがくずれて、脱灰ばかり進むとむし歯になってしまいます。
同じ食事でも、長い時間をかけてしまうと、脱灰の時間が長くなってしまうのです。注:早食いしろというわけではありません。
これら、①ー④の原因がくみあわさって、むし歯ができるといわれています。
逆にむし歯を予防するには、これらの原因を一つ一つ見直していくといいですね。
前回は、歯の構造の話でした。
今回はそこから歯のどこまでむし歯になったか、むし歯の深さで大まかに治療内容が決まる話です。
まずは、①の深さです。まだ歯冠の表面の深さですね。
治療としては、むし歯だけを削り、削ったところに、白く詰める方法です。CR充填と言います。
一回で終わる方法です。
むし歯の深さは浅いですが、広さがあったり、むし歯の場所によっては、かたどりをして部分銀歯をセットします。In修復と言います。
だいたい2-3回通院します。
むし歯が②の深さ、歯髄まで到達すると、痛みも出てくるので、麻酔をして、むし歯だけでなく歯髄も除去します。抜髄と言います。
抜髄後、かぶせもしていくことになるので、何回か通院が必要になります。
さいご、③まで深くすすむと、歯根もぼろぼろになると、治療ができなくなり、抜歯をすることになります。
抜歯した後、隣の歯とで、橋渡ししてかぶせるか(ブリッジ)、取り外しの入れ歯(義歯)、インプラントをするか、
相談していくことになります。お口の状態によっては、ブリッジやインプラントが出来ないこともあります。
通院回数は、それなりにかかります。
一般的に、むし歯も浅ければ(軽度)、治療も早く終わるということです。
定期的なむし歯健診で、早期発見をこころがけたいですね。
今回は歯の構造をみていきます。
まず、歯の頭の部分、歯冠の表面は、エナメル質です。
リン酸カルシウムが結晶を作りハイドロキシアパタイトという結晶構造になっています。
人体で最も硬い組織ですね。
歯の内部のところは、象牙質です。
エナメル質と同じく、ハイドロキシアパタイトも含んでいますが、エナメル質よりは硬度が低いです。
それでも骨よりは硬いです。つまり、象牙質が口腔内に露出していると虫歯になるスピード?・頻度が高くなるということですね。
根っこ、歯根部の表面はセメント質で覆われています。
象牙質の成分に似ていますが、歯の硬組織の中では一番柔らかい組織です。
なので、象牙質同様、セメント質が口腔内に露出すると虫歯になりやすくなります。(根面う蝕)
歯の内部、真ん中のところには、歯髄:歯の神経と血管があります。
歯には血流があるので、歯も外部刺激に対して第二象牙質を作って防衛したり、
神経があるので、知覚過敏やむし歯で痛くなったりします。痛いの嫌ですね。
なんかこう歯をじっくり見ると歯磨きを頑張ろうと思われたでしょうか?
私も歯みがき頑張ります!
次回は歯の疾患についてです。
私たちは毎日食事をします。
食事をすると、食事の砂糖をエサにして、むしば菌 ミュータンスが酸を作り出します。
もともとお口の中は、中性(化学の時に出ました。)ですが、その酸により歯の表面が酸性度に少し傾きます。
そうなると歯の表面のエナメル質が少し溶け出しちゃいます。このことを脱灰といいます。大変です。
ただ、お食事が終わり、唾液の緩衝作用や歯みがき・うがいにより、また歯の表面が中性に戻っていきます。
唾液の中には、カルシウムとかがあり、今度はさきほど少し溶けたエナメル質が修復されます。このことを再石灰化といいます。
お食事のたびに、だれでもこの脱灰・再石灰化が起こるので、両者のバランスが大事です。
つまり、同じものをだらだら長時間食べていたり、食後すぐに歯みがきをしない場合、脱灰の時間が長くなる、
むしばにすすんでいく可能性があるのです。
よくあるのが、家事とか勉強をする際に飴ちゃんをずっとなめているとか、
毎晩2時間くらい、お酒を飲みながらお食事をするとか、、、(ギクッ)
食べたらすぐ歯みがきしましょう!!